- 「逃げ上手の若君」をどこで読めるのか知りたい
- 無料で安全に楽しむ方法があるのか気になる
- 違法サイトのリスクをしっかり把握したい
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この記事では、おすすめの電子書籍、各巻のあらすじ、登場人物、アニメ化情報などを詳しく紹介します。
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この記事を読めば、作品の魅力をさらに深く理解できる方法が見つかります！
「逃げ上手の若君」はどこで読める？おすすめの電子書籍
- おすすめの電子書籍サービスはどこ？
- 全話無料で読める方法はある？
- 「漫画raw」や「漫画koma」などの違法サイトで読むリスク
- 安全に楽しむためには？
おすすめの電子書籍サービスはどこ？
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違法サイトからダウンロードしたファイルにはウイルスやマルウェアが含まれていることが多く、デバイスが感染してしまうリスクがあります。これにより、個人情報の漏洩やデータの破損といった深刻な被害が発生する恐れがあります。
業界への悪影響
違法利用が増えると、正規購入が減少し、作家や出版社への収益が減ります。その結果、作品の質が低下したり、新作の発表が困難になったりする可能性があります。
漫画を楽しむ際は、正規の配信サービスを利用することで、リスクを避けつつ作品を支えることが大切です。
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安全で豊かな読書体験を通じて、漫画文化の発展を支えていきましょう。
「逃げ上手の若君」はどこで読める？ネタバレを含むあらすじと関連情報
- 各巻のあらすじ
- 登場人物（キャラクター）
- 南北朝鬼ごっこ
- 南北朝の鬼たち
- アニメ化について
- 打ち切りに関連する情報
- 主要キャラクターの史実
- 作者・松井優征先生
- 「逃げ上手の若君」はどこで読める？まとめ
各巻のあらすじ
1巻
1333年、鎌倉――。幕府の後継として生きるはずだった少年・北条時行は突然の謀反で故郷も家族も全て失う。しかし時行は、生き延びることに関しては誰よりも秀でていた。信濃国の神官・諏訪頼重に誘われ、少年は逃げて英雄になる道を歩み始めた！
ebookjapanより引用
２巻
北条家の生き残りを捜す信濃守護の小笠原貞宗が、諏訪大社の催し「犬追物」に乱入！ 半ば強引に弓矢勝負を仕掛けられ、直接対決に挑むことになった時行だが、貞宗の弓術は達人級の腕前である…。容赦ない猛攻を躱しながら、時行は反撃する術を編み出せるのか――！
ebookjapanより引用
３巻
諏訪領、北の国境で 瘴奸率いる悪党が非道な侵略を開始し、大人は皆殺しにされ、幼子だけが村に残されていた。時行は二刀使いの青年・吹雪と出会い、彼の緻密な策略で悪党の追撃を凌いでいたことを知る。時行の逃げ上手に着目した吹雪は、敵大将を討ち取る奥義を授ける…！
ebookjapanより引用
４巻
後醍醐天皇が送り込んだ国司・清原信濃守の圧政に耐えかねた諏訪神党・保科弥三郎は勝ち目が無いと知りながら反乱の兵を挙げる。保科党を止めようと説得に向かう時行だったが、戦場で散ることを美学としている武士たちに時行の声は全く届かないまま、開戦してしまい…？
ebookjapanより引用
５巻
小笠原貞宗に北条の重臣ではないかと疑われた時行は、一対一の舌戦に臨む。正体を明かすわけにいかない時行は射抜かれる言葉の矢を巧みに躱すも、補佐役・市河の登場で事態は急変して…？ さらに後醍醐天皇の命により信濃各地で再び動乱が渦巻く！ 天下を取り戻す前哨戦へ突入する！
ebookjapanより引用
６巻
神の座を継いだ頼重の孫・頼継に諏訪大社内での居場所を賭けて鬼ごっこ勝負を挑まれた時行！ 妨害部隊の猛攻を躱して傍若無人な神様にお灸を据える!? その後、北条泰家の手引きで京に赴いた時行達は、身分を隠して華やぐ大都会の文化を堪能するも、神力を宿す少女・魅摩との双六対決で早々、窮地に!?
ebookjapanより引用
７巻
泰家が明かした帝殺しの計画を受けて脱出経路を調べる時行は、偶然にも軍神・楠木正成と邂逅する。帝の側近である彼から逃げの極意を学び取るため時行は単身、楠木邸に足を踏み入れる！ さらに、足利尊氏に接近できる最大のチャンスが到来！ 時行たちは吹雪が考案した策の下、尊氏暗殺計画を決行する…！
ebookjapanより引用
８巻
鎌倉奪還に向けて兵を挙げた諏訪神党は因縁の小笠原軍と対峙する。幾度となく戦ってきた神出鬼没の知将・瘴奸との最後の戦い。信濃の両雄、貞宗と頼重の直接対決。民を苦しめてきた悪徳国司・清原が繰り出す最終兵器…。長きに渡る潜伏から数々の激闘の末、ついに時行が日本中に向けて名乗りを上げる!!
ebookjapanより引用
９巻
北条本家の嫡子であると名乗りを上げた時行に、鬼気迫る小笠原貞宗が単騎急襲を仕掛ける！ 信濃を発つ前に本気の貞宗の猛追を躱せるのか!? 一方、時行らの鎌倉進軍を知った足利直義は関東庇番衆を配備して迎え撃つ。一番組筆頭・渋川との衝突を皮切りに、個性派揃いの強者達との戦いが幕を開ける――！
ebookjapanより引用
10巻
様々な奇策が投じられ、女影原の戦いは激しさを増していく。弧次郎と庇番衆・渋川の一騎討ちをはじめ、強敵・岩松や石塔との激戦も完全決着！ そして間髪をいれず、時行一行の前に立ち塞がる新たな庇番衆！ 馬と共に戦場を駆ける今川、人造武士を操る上杉…。恐るべき力を目の当たりにした逃若党の対抗策とは――!?
ebookjapanより引用
11巻
戦場を縦横無尽に駆け回る今川に対抗すべく、時行は吹雪が講じた策で今川の狙いを自身に絞らせることに成功する。わずかな隙が命取りになる状況で味方を鼓舞しながら反撃の機会を窺う！ 一方、北条軍を迎え討つために敵大将・足利直義が自ら出陣を決める。大将同士が遂に直接対峙し、鎌倉奪還をかけた天下分け目の大戦へ！
ebookjapanより引用
12巻
長年の悲願が実り、ついに鎌倉奪還を果たした北条時行は久々の故郷に胸を躍らせ、逃若党の仲間と共に鎌倉の各地を巡りながら穏やかな時間を過ごしていた。一方、帝が治める京では北条家に鎌倉を獲られたことにより混迷を極めていた。帝の意向を無視して足利尊氏は時行を討ち取るため鎌倉に向けて自ら出陣する！
ebookjapanより引用
13巻
足利尊氏の恐ろしい力を目の当たりにした諏訪頼重は自ら討ち死にする覚悟を決め、最後の戦いへ臨む。猛反発した時行だったが、各々の責務を理解し『親子』最後の時間を過ごすため頼重救出に向かう！ そして歴史は大きくうねり始め、英雄達が怒涛のように入れ替わる混沌の南北朝時代へと突入していく!!
ebookjapanより引用
14巻
中先代の乱から二年後、伊豆に潜伏していた時行達は鎮守府大将軍・北畠顕家から朝敵解除の許しを得て、尊氏討伐へ動き出す！ そして南朝方となった時行は曲者ひしめく顕家軍に加入し、斯波家長率いる足利軍との決戦に出陣！ 二年間の耐忍を経て一段と成長を遂げた新生逃若党が見せる活躍やいかに――!?
ebookjapanより引用
15巻
杉本寺での攻城戦、時行が先陣を切って果敢に攻勢をかける中、桃井と長尾の猛撃、さらには家長の狡猾な術策が襲いかかる！ 一転して窮地に陥る顕家軍だったが、思わぬ助太刀で局面を打開し、足利の主力武将達を撤退させることに成功！ そして時行は家長との決着をつけるべく宝刀「鬼丸」で一騎打ちに挑む――!!
ebookjapanより引用
16巻
家長を破り二度目の鎌倉奪還を果たした時行達は、休息もわずかに京への進軍を開始する。しかし、一行が抱えるある問題が重大な事件へと発展し瓦解の危機に!? さらに、美濃国青野原に到達した顕家軍に足利連合軍の挟撃策が炸裂！ 因縁の強敵・貞宗や長尾、そして支離滅裂な怪力を誇る土岐頼遠との総力戦が幕を開ける！
ebookjapanより引用
17巻
土岐頼遠の圧倒的な力の前に、時行の逃げの戦術でさえ通用せず窮地に陥る顕家軍。そんな中、突如戦場に優雅な音楽が鳴り響き、離脱していた顕家が華麗な姿で舞い戻る!? 一気にお祭り騒ぎと化した戦は堂々決着へ!! しかし、続く不破関を越えた時行達の前に、京からの凍てつく刺客が立ちはだかり…!?
ebookjapanより引用
登場人物（キャラクター）
北条時行
北条高時の次男で、鎌倉幕府第14代執権の後継者に位置付けられた。争いを嫌う性格で、鎌倉の街並みを楽しむ平和主義の少年です。しかし、勉強や政治を極端に避ける姿勢があり、世話役の話を聞くや否や逃亡するなど、独特の行動を見せます。
性格と行動特性
時行は危険を察知すると即座に逃げる反射的な行動力を持っていますが、臆病とは言い切れません。戦場でも敵から目をそらさず、仲間の犠牲を許さない強い信念を示します。鎌倉武士の価値観を理解しつつも、現代的な感性を持ち合わせた利発な性格が特徴的です。ただし、金銭感覚に乏しく、時にはその無欲さで周囲を驚かせます。
異常性と能力
命の危機に直面すると異常な興奮状態に陥り、笑顔を浮かべる特殊な性癖を持ちます。剣術や槍術には優れていないものの、弓術に秀でており、逃げ足の速さと俊敏性が彼の最大の武器です。敵の包囲を突破するその身軽さは、天賦の才ともいえるでしょう。
背景と運命の転換
本来幕府を継ぐ立場にあった時行ですが、足利高氏の反乱によって運命が急変。幕府滅亡後、父や一族が自害に追い込まれた中、諏訪頼重の助けを受けて信濃諏訪へ逃れます。「生きることで英雄となる」との言葉に導かれ、天下奪還を目指す決意を固めました。その後、死亡した武士の名を借り、「長寿丸」として新たな人生を歩み始めます。
幼少期の物語の幕開け
物語の開始時点で彼は7～8歳と推測され、将来英雄となることを予言されています。その幼さにも関わらず、彼の意志と行動は時代を揺るがす壮大な物語の起点となります。
諏訪頼重
信濃国の諏訪大社の主であり、諏訪明神を宿した現人神として人々から深く信仰されています。鎌倉の守護祈祷を依頼された際に北条時行と邂逅しました。未来を予測する力を持つものの、その視野は曖昧で断片的であるため、時行には「怪しい霊媒師」と揶揄されています。
特徴と性格
常に後光が漏れるほどの神聖さを持ちながらも、胡散臭さを伴う笑顔が特徴です。後光の明暗は烏帽子の紐で調整可能という独特の設定があり、ユーモラスな一面も見せます。一方で、自分の神力が使えない状況では挙動が不安定になることがあります。普段はコミカルな行動を見せることが多いですが、その一方で鋭い判断力を発揮する場面もあります。
時行との関係
足利高氏の反乱後、一族を失った時行を信濃に匿い、「生きることで英雄となる」と激励して忠誠を誓いました。時行が絶望しかけた際には、敵陣に投げ込んで強引に生きる意志を取り戻させるという突飛な行動も辞さない姿勢を見せます。そのような型破りな方法ながらも、結果的には時行を支え、成長を促しています。
行動と奇抜な振る舞い
彼は非常識な行動や発言で周囲を混乱させることが多いですが、それが逆に効果的に人々の心を動かす場面も少なくありません。例えば、絶望の淵に立たされる時行の気を紛らわせるため、意図的に突飛な行動に出るなど、メンタルケアとしても機能しています。
年齢と背景
若々しい外見にもかかわらず、孫がいるため実際の年齢は見た目以上です。その肌の状態やこめかみの白髪には後に理由が明かされます。本作では主人公を導く立場にあり、過去の同作者作品で重要なキャラクターに相当する役割を担っています。
雫
諏訪頼重の娘であり、秘術や事務に長けた才女です。父親の仕事を支える立場でありながら、鎌倉での祈祷に同行した際に北条時行と出会いました。
性格と役割
毒舌家の一面があり、父・頼重の怪しさを全くカバーしない態度が目立ちます。そのため、父から頻繁に突っ込まれています。冷静沈着でありながらも、巫女としての立場を生かして交渉や根回しを得意としています。また、時行の一派に加わった後は、彼の執事として日常生活を支えながら、「兄様」と呼ぶようになります。
特殊な行動
時行を支える冷静な役割を担いながらも、物語が進むにつれて予想外の大胆な行動を見せるようになります。佐々木道誉の娘・魅摩との双六勝負では、神力を駆使して時行を眠らせた上でキスを交えながら対戦し、相手の冷静さを崩して勝利を収めました。この行為は読者を驚かせる演出として描かれています。
メタ的発言と行動
物語が進むにつれて、作中でのメタ的な発言も見られます。中先代の乱の際には、仲間に対し「怪我をするな」「武具を傷つけるな」といった発言をし、創作者視点を感じさせる一幕もあります。
謎めいた存在
彼女には物語の根幹に関わる大きな秘密が隠されており、その詳細は徐々に明らかになっていきます。
亜也子
諏訪頼重が北条時行のもとに送り込んだ3名の郎党の1人で、逃若党の一員です。本名は望月亜也子で、信濃における諏訪神党の左軍大将・望月重信の庶子として生まれました。原作では出自が後から明かされましたが、アニメでは初登場時に自ら名乗っています。
家族関係
庶子でありながら父親との仲は良好で、再会時には抱擁を交わして喜び合う様子が描かれています。ただし、父の重信も脳筋タイプであり、「骨を折って鍛える」と豪語する豪傑です。
外見と特徴
時行と同年代ながら、身長が非常に高く、10歳で成人女性に近い体格を持っています。そのため、大人と間違われることも珍しくありません。
能力と戦闘スタイル
長身と怪力を活かした実力者であり、特に力任せの戦闘に秀でています。刀や薙刀など、多種多様な武器を扱うことが可能です。鎌倉帰還後には、鍛冶師・正宗が制作した分厚い鉄棒「四方獣」を武器として愛用しています。普段は歩兵として戦いますが、馬術にも対応できます。
芸才
戦場での力強さだけでなく、歌や舞といった芸術的才能にも優れています。優れた平衡感覚を活かして複数の楽器を演奏し、兵士たちの士気を高めることも可能です。
性格と目標
巴御前のような女性武将になることを目指しており、時行を守ることを誇りに感じています。大胆な発言をすることも多く、時行を慕う気持ちを率直に表現します。
弧次郎
諏訪頼重が北条時行の補佐役として選んだ郎党の一人です。同年代の若さながら、剣術に秀でており、将来は部隊を率いる立場になることが期待されています。
特徴
鎌倉武士らしく、発言が物騒になることが多いものの、仲間内では比較的冷静で常識的な振る舞いを見せます。そのため、周囲の行動や言動に対してツッコミ役に回ることが多いです。
出自と背景
信濃の諏訪神党の中核を担う祢津頼直の一族に属しています。しかし、特定の事情から頼直に厳しく扱われており、祢津家の利益を優先して働くよう指示を受けています。
風間玄蕃
信濃や諏訪で悪名を馳せる盗賊で、狐の仮面を常に着けています。独自の技術で顔を変えることができ、誰にでも成り代わる能力を持っています。
出自と背景
父親は信濃の諏訪氏に仕える武士でしたが、習得した技術が「卑劣」とされ、盗みの疑惑を受けて一族を追放されました。この影響で、玄蕃は父の技術と主義を引き継ぎ、孤独に生き抜いてきました。
逃若党加入の経緯
諏訪頼重から、後醍醐天皇が発布した諏訪没収の綸旨を奪取する任務と、北条時行を支える役目を託されました。玄蕃は当初、時行を軽視していましたが、彼の率直な性格と破格の報酬条件に引き込まれ、協力を決意しました。その後の窮地では時行に助けられ心を動かされ、彼と共に危機を脱して『逃若党』の一員となりました。
特徴と役割
粗野で下品な芸も披露しますが、危険な状況では高い戦術力と技術を発揮します。足利方の忍者・天狗衆の一人である夏を陥れ、彼女を味方に引き入れるなど、抜け目のない行動力を見せています。また、周囲の状況に応じてボケやツッコミを切り替えています。
吹雪
少年漫画『逃げ上手の若君』に登場する剣士で、初登場は単行本第3巻です。年齢は十代半ばで、二刀流を使いこなす実力者です。
能力と特徴
剣術の腕前は非常に高く、亜也子と弧次郎の二人を相手にしながらも圧倒し、敵兵を何度も壊滅させています。兵法にも通じており、戦略的な行動を得意とします。また、中山荘にいる孤児たちに生活の知恵を伝授し、敵の襲撃から守っています。
時行との関係
教え上手な性格が時行に気に入られ、彼の「逃げる力」を活用した独自の剣術を指導する役割を担っています。時行を「我が君」と呼び、忠誠心を見せています。
性格と生活習慣
一人称は「自分」で、落ち着いた物腰が特徴です。ただし非常に燃費が悪く、空腹時には力が発揮できないほどの大食漢です。
諏訪時継
諏訪頼重の息子であり、雫の兄です。次期諏訪大社の当主としての立場を持ちながらも、歴史的記録が極めて少ない人物です。中先代の乱では父とともに北条時行を支援し戦いに身を投じました。
戦場での役割
足利軍の忍者集団「天狗衆」との戦闘では、風間玄蕃と協力し、誤情報を流して敵の首領を罠にかけました。その際、独自の神力を活用し、隠れていた敵を捉えました。また、戦場では父の影響力が大きすぎるため、自身の存在感が薄れがちでした。
特異な能力
盲目であるため、視力を補う目的で神力を使用しています。この力により視覚的な情報を得るだけでなく、隠密行動を察知する能力も発揮しました。また、自然と気配を消す特性があり、熟練を必要とする隠密術を意識せず行えます。
最期とその背景
鎌倉幕府の残党軍が敗北した際、足利尊氏の命を狙いましたが、返り討ちに遭い致命傷を負いました。雫たちに手当てを受けましたが回復には至らず、父や仲間たちとの宴の最中に息を引き取りました。
海野幸康
諏訪頼重に仕える三大将の一人で、中軍の指揮官を務めます。多くの戦功を挙げ、冷静で的確な判断力を持つことから兵士たちの信頼が厚い人物です。逃若党の若者たちは彼の初対面時の立ち振る舞いに感銘を受けますが、その後に意外な一面を知ることになります。
私生活と個性
女性への耐性がまったくなく、話しかけられるだけで動揺し、巫女に囲まれると挙動不審になるほどの純粋さを持っています。この未熟な感情を忠義と信仰に昇華し、戦闘能力と精神力に変換することで、戦場では比類なき修羅と化します。その特異な性質が彼を伝説的な存在へと押し上げました。
戦場での活躍
中先代の乱において渋川義季と一騎打ちを行い、熟練の技で渋川を圧倒しましたが、若さと勢いに押し返され敗北を喫しました。その後、弧次郎と渋川の戦いで間接的に勝利へ貢献しました。
歴史的背景
六文銭を家紋として使用しており、後に真田幸村の先祖として知られるようになります。ただし、史料は少なく、彼の名が広く知られることはありません。
最後の局面
鎌倉攻略後に信濃へ帰還する予定でしたが、足利尊氏の強大な影響力による逆転敗北を目の当たりにします。時行と頼重の最期を見届けた後、他の信濃の武士たちとともに撤退を余儀なくされました。
北条邦時
北条高時の長男であり、時行の異母兄にあたります。鎌倉幕府滅亡の際、伯父の裏切りによって捕えられ、わずか数え年9歳（満7歳）で斬首されるという悲劇的な結末を迎えました。彼の生誕日は1325年12月27日と記録されており、母親も特定されています。
時行との関係
弟である時行との関係は友好的で、時行の「逃げ癖」を独自の視点で理解していました。邦時はその特徴を「条件次第で英雄になる可能性を秘めたもの」と捉え、励ましの言葉を送っていました。
自身の立場への認識
母が側室であるという背景から、長子でありながら執権を継ぐ意思を持たず、自らの立場を弁えて行動していました。
北条高時
北条邦時と北条時行の父であり、物語の冒頭では出家した姿で登場します。僧侶の姿をとる一方で、かつて鎌倉幕府第14代執権として北条家を率いていました。
政治的立場
北条家当主としての地位にありながら、政治的な主導権は他の御家人たちに任せきりで、自らの権限をほとんど行使していませんでした。顔色は常に冴えず、生きているかどうかさえ曖昧な印象を与える人物として描かれています。
最期の経緯
後醍醐天皇が反乱を起こし、さらに足利高氏が朝廷側に寝返った結果、幕府の力は急速に衰退しました。鎌倉が陥落した後、幕府の象徴として高時も自ら命を絶つことを余儀なくされました（史実では29歳での出来事）。
北条泰家
北条高時の実弟で、北条時行の叔父にあたります。額が広く、その額には心中が文字として現れる特徴があります。感情を隠せない率直な性格の持ち主です。
鎌倉陥落後の行動
鎌倉が落城する際、一族が自害する中で諏訪頼重に時行を託し、自らは負傷兵に変装して脱出しました。その後、東北で残党を集めて戦いを挑みますが敗北。諏訪で再び時行と再会しました。
独特な能力と性格
田舎武士の演技を披露するなど、時代の武士としては珍しい柔軟さを持っています。どんな状況でも生き残る意志を見せ、甥の時行にもその「逃げ上手」な姿勢を継承させました。
中先代の乱での役割
足利直義軍との戦いで、三浦時明を味方に引き込み、鎌倉奪還に成功しました。しかし、足利尊氏の反撃により敗北。諏訪頼重・時継親子が時間を稼ぐために犠牲となる中、泰家は時行に「命を賭けることの価値」を説き、再起を図りました。
晩年の悲劇
戦後、足利方の斯波家長に捕らえられ、拷問を受け人質にされました。解放後も闘志を失わず、身体の限界を超えて戦い続けますが、ついに本心を額に表し、すべてを終えました。その後、歴史の表舞台から姿を消しました。
足利尊氏
人物概要
足利尊氏は、鎌倉幕府の若手守護として高い評価を受けていた武士です。武勇、教養、家系、そして人望を兼ね備え、北条家からも信頼されていました。しかし、彼は北条家や幕府への忠誠心を表向きに見せながら、内心では叛意を抱き、後醍醐天皇と手を組むことで幕府の滅亡を導きました。
変名の経緯
元々「足利高氏」を名乗っていましたが、北条高時から拝領した名前を北条家の滅亡後に改め、後醍醐天皇から与えられた「尊治」の字を取り「尊氏」としました。
人間離れした性質
尊氏はただの武士ではなく、非人間的な存在として描かれています。彼の行動はしばしば常識を逸脱しており、仏画を道具として扱うなど、人々に底知れない恐怖を抱かせました。また、頼重が発する後光とは対照的に、尊氏は増加する瞳の数など異形の兆候を示します。
北条時行との関係
逃若党による襲撃時には北条時行を認識しない素振りを見せつつも、彼を殺すべきか悩む様子が描かれています。この場面は尊氏が時行を意識しているか否か、または彼の非人間的性質を反映しているかの解釈が分かれる場面です。
戦場での活躍
建武2年（1335年）の鎌倉奪還戦では、時行の軍と交戦し窮地に追い込まれた際、短刀で喉を突いて自害を図りました。しかし、幸運にも致命傷を避け、戦場に復帰。圧倒的な神秘性を発揮して一万を超える敵兵を降伏させるなど、尋常ならざる力を示しました。
怪物性の由来
尊氏の存在は、祖先が「三代後の子孫に天下を取らせる」という願いを込めて切腹した結果、強力な神力を帯びていると説明されています。この力は尊氏に異常な強運と求心力を与え、周囲の人間を圧倒しました。
北朝成立の経緯
湊川の戦いで楠木正成と交戦し、激闘の末にこれを討ち取りました。その後、京都を制圧し、後醍醐天皇の脱走に対しても冷静に対応。逃亡を「手間が省けた」と笑い、光明天皇を擁立して北朝を成立させました。
足利直義
背景と登場
足利尊氏の弟であり、初登場は第1話ながら本格的な描写は第25話から始まります。彼は智謀と政治手腕に優れており、尊氏からもその才を認められていますが、直感力では兄に敵わず、幼少期には自身が作成した暗号地図を見せる前に兄に全て見破られた経験があります。
役割と行動
鎌倉幕府を倒した後、後醍醐天皇の朝廷における交渉役を務めましたが、兄の命を受け鎌倉に派遣されます。兄弟仲に問題はありませんが、兄の描いた怪異的な仏画を目の当たりにし、兄が人間離れしていく様子に危機感を募らせ、仏画の周囲を焼き払うよう部下に指示する場面もあります。
性格と能力
冷静で理詰めな性格が特徴的であり、優先順位を重視して感情を抑えて行動します。一方で、忠誠心を狂気的なまでに示す部下たちに対しても情のある対応を見せるなど、優れた配慮力を持っています。そのため、現代であれば有能な政治家になっただろうと評価されています。
弱点と戦略
戦闘における直接的な能力は弱いものの、戦略的思考には優れています。鎌倉を防御拠点とせず討って出る選択をした際には、地理的防御の脆弱さをいち早く察知したとされています。しかし、感情に基づく非合理的な行動には対応が苦手で、部下の統率が困難になる場合もありました。
理詰めの限界
彼の限界は、感情による不測の行動を予測できない点にあります。部下が理性的である限り統制が可能ですが、感情的な反乱や裏切りが発生した際には、その対処ができなくなるという弱点が露呈します。
高師直
役職と背景
幼少期から足利尊氏に仕えた執事であり、足利政権の政務全般を担いながら、尊氏の身辺の世話もこなします。料理も得意で、鯉の刺身やうどんを作る技能を持ち合わせています。
能力と特技
作戦立案力、戦場での指揮能力、個人の戦闘力といった点で非常に優れており、ほぼ完璧な人物です。また、戦場で戦いながら事務作業を同時にこなすという異常な器用さも発揮します。
性格と思想
極端な合理主義者であり、すべてを現政権への利益かどうかで判断します。他者への評価も成果や能力に基づく冷酷なもので、忠義は足利尊氏個人に向けられています。一方で、評価を下げた者には苛烈な態度をとり、平時には奔放な女性関係を持つ一面もあります。
行動と忠義の方向性
尊氏の秘めた狂気に気づきながら、それを隠そうとする弟・直義とは対照的に、その狂気を利用しようとしています。また、直義やその部下たちを軽視する態度を隠そうとしません。
戦歴と活躍
1335年、鎌倉幕府残党との戦いにおいて、弟の師泰と共に尊氏軍として出陣し、諏訪頼重を始めとする反乱軍を討伐しました。その際、従兄弟の戦死を受けて別の遠縁の少年を養子に据えるなど、冷徹な判断を下しました。その後、新田義貞との戦いを乗り越え、尊氏が北朝を擁立すると再び政権運営で辣腕を振るいます。
最期と歴史的役割
尊氏と並ぶ北朝の主要な武将として、南朝勢力との戦いで多くの功績を挙げますが、やがて足利直義との権力争いで対立が深まり、観応の擾乱で命を落とします。
高師泰
立場と登場
高師直の弟として、足利尊氏に仕える側近です。物語開始時から登場していましたが、その名が明らかになったのは第37話からです。
性格と特徴
兄である師直に比べて、感情豊かで親しみやすい印象を与える人物です。師直が冷静沈着で慎重なのに対し、師泰は笑みを浮かべることが多く、発言に軽率な面があります。同じ考えを持つことがあっても、師直が言葉を慎む場面で、師泰はそれをあえて口にします。
行動と戦闘能力
戦場では大きな薙刀を駆使し、敵を次々と倒す勇猛な戦士です。第1話では、兄や足利直義が冷徹に敵を斬る中、彼だけが勝ち誇ったような笑みを見せながら戦う姿が描かれています。
兄弟としての対比
兄弟でありながら、師直と師泰の性格や振る舞いは対照的です。師直の無表情かつ冷酷な態度に対し、師泰は常に表情が豊かで、より感情的な性格が強調されています。
高師冬
役割と経緯
高師直の猶子であり、鎌倉幕府残党軍討伐に参加しましたが、初陣で不運な事故に見舞われ、軍馬に顔を踏まれる形で命を落とします。戦闘能力に欠けていたため、この悲劇に繋がったとされています。
師直の判断
師冬の死を受けた養父の師直は動揺することなく、降伏してきた少年を拾い上げ、師冬に成り代わらせることを決断します。「猶子であれば、弱い縁者より強い赤の他人が良い」と述べ、少年に木製の面を被らせて「高師冬」を名乗らせ、足利家の手駒として利用する計画を進めました。
正体と背景
成り代わりの少年は、実は高一族に属していた者であり、元から足利方に関与していた経緯が明らかになっています。そのため、この偽装工作は自然な形で行われました。
その後の行動
偽の高師冬となった少年は、北畠顕家の軍に加わり、再度足利軍と戦場で相対することになります。その際、土岐頼遠を破った北条時行たちとも敵対する立場に立つようになります。
小笠原貞宗
特徴と性格
目が大きく常に見開かれた風貌を持ち、傲慢な態度で敵対者を見下しますが、高氏に対しては忠実です。戦場では冷静さを失う瞬間もありますが、迅速に立て直す判断力を備えています。同盟者の馴れ馴れしい態度には戸惑うなど、常識的な一面も見られます。
武士としての姿勢
信濃守護として、無益な殺戮を避ける方針を掲げ、領民への過剰な搾取を嫌います。他方で、尊氏の命令に忠実に従い、北条時行を追討する使命を果たそうとしました。時行には敵として敬意を持つことを教えるなど、武士としての誇りを示しています。
武術と特技
弓の名手として知られ、当時の帝からもその技術を称賛されました。挑発的な行動でもその腕前を発揮し、時行にとっても重要な影響を与えました。視力も並外れており、目を使った特異な技を持っています。
活躍と戦歴
諏訪大社での試合では、時行に策を授ける一方で敗北を喫しました。その後、諏訪領を再び狙い、綸旨を奪還しようとする時行と対立。結果として綸旨を焼失されますが、最終的に信濃領の支配を維持します。中先代の乱では、時行を執拗に追い詰めるも、彼の成長に感銘を受けつつ戦いを継続しました。
再登場と最終局面
北畠顕家討伐戦では足利軍と連携を試みるも、土岐頼遠の妨害で混乱に陥りました。その後、時行との再戦でさらなる成長を認めつつも形勢を逆転され撤退を余儀なくされました。最終的には再び諏訪領に進攻し、戦いを続ける姿が描かれています。
市河助房
容貌と特徴
切れ長の目つきに加え、奇妙な髪型でまるで二重の耳があるように見えます。前歯が少し突き出た顔立ちは、ネズミのような印象を与えます。
性格と態度
落ち着いた性格で、冷静に物事を処理します。同盟関係にある小笠原貞宗に対しては謙虚な態度を取るものの、戦場では馴れ馴れしい行動や言動で奇妙な一面をのぞかせます。
聴覚の能力
驚異的な聴力を持ち、地面の振動や反響音から周囲の状況を詳細に察知します。この特性により「順風耳鬼」という異名で呼ばれています。
活躍と戦術
小笠原邸に侵入した北条時行と風間玄蕃に迅速に気づき、貞宗と共に追跡を開始しました。暗闇の中でも耳を頼りに二人を追い詰め、貞宗の視覚を補助しました。しかし、玄蕃の機転により綸旨を失い、二人を逃がす結果となりました。
瘴奸
背景と異名
複数の名前を使い分けてきたため本名は判然とせず、「瘴奸入道」や“鍼口鬼”と呼ばれています。人攫い集団「征蟻党」を率いる武者です。
性格と倫理観
冷静で大胆な一方、善良さを侮蔑し、悪徳を楽しむ異常性を持っています。苦しむ子供を想像して悦び、死者を冒涜するような行為を平然と行います。
戦術的特徴
正面からの戦闘ではなく、地形や環境を駆使した奇襲を得意としています。盗賊らしい戦略で敵を翻弄します。
過去の経緯
裕福な家に生まれましたが、次男という理由で地位を得られず、武勲を求めて放浪しました。楠木正成の陣にも加わりましたが功績を残せず、失意の末に賊となり「征蟻党」を組織しました。
逃若党との戦闘
諏訪領の村々を攻撃し、時行と対峙しました。初めは侮りましたが、次第に追い詰められ、戦いの中で仏の慈悲を感じて敗北しました。
救出と転機
貞宗によって命を救われ、処罰を覚悟していましたが、逆に領地を与えられて正式な武士となりました。この転機を機に賊としての行いを改めます。
後の活躍
伏兵として諏訪軍を苦しめ、再び時行と相まみえますが、過去の悪行を悔やむようになり、領地では住民に親しまれる地頭となります。しかし、自身の罪への後悔に苦しみ続けています。
清原信濃守
役職と特徴
後醍醐天皇から国司に任命された貴族であり、麻呂顔と化粧が特徴的です。自身の信濃領を「麻呂世界」と称し、民を虐げながら独裁的に統治していました。
性格と行動
権力を私物化し、道徳や民衆の生活を顧みない振る舞いを見せる一方で、建築においては高い才能を持っていました。時代への挑戦心は強く、状況次第では有能な統治者となり得た人物と評されています。
戦場での失態
反乱を鎮圧する戦いでは、自身の過信と誤った采配により敵を取り逃がし、京へと逃亡しました。その後、天皇から激励を受け、自らの理想を「帝世界」に改めて再び信濃へ戻ります。
奇抜な戦術と失敗
戦闘用の神輿や即席の巨大戦車を用いて時行らと対峙し、保科領を荒らし回りましたが、いずれも敗北しました。尊氏に洗脳され悪しき神力を注入されたことで、鬼のような振る舞いを見せるようになります。
最期と死因
中先代の乱で巨大戦車の上から指揮を執るも、時行の攻撃で悪しき力を打ち払われ、最後は保科弥三郎によって首を討たれました。死の間際には自身の行いを後悔しつつも、目的を見失ったまま絶命しました。
人物像の評価
本来の能力や野心を持ちながらも、誤った時代や人物と交わったため、悲劇的な末路を辿りました。正しい条件下であれば、名君として名を残した可能性があったとされています。
渋川義季
役割と特徴
関東庇番衆の筆頭で、長髪を後ろにまとめた髪型が特徴の青年です。姉が足利直義に嫁いでおり、彼とは義理の兄弟関係にあります。長大な刀「千里薙」を扱う武芸の達人です。
性格と行動
誠実で正義感が強く、武士としての誇りを重んじています。卑劣な振る舞いを厳しく嫌い、他人にもそれを求める厳格な一面があります。一方で、自らの信念に反する行為を見過ごせず怒りを爆発させることがあり、その感情が戦闘力を大きく引き上げる要因となります。
戦場での冷静さ
怒りを感じてもその場で冷静さを取り戻し、的確な指示を出せるため、無計画に暴れるだけの戦士ではありません。ただし、味方の不正行為にも怒りを示しますが、軽度の場合は軽い罰で済ませることもあります。
背景と忠義
かつては北条家を滅ぼすことに葛藤を抱く「臆病者」とされましたが、それを足利直義に諭され、足利家への忠義と敵への怒りを正義の形として方向づけられました。その経緯が彼の戦いぶりや立場を形作っています。
物語内の活躍
女影原の戦いで、敵方の海野幸康と激しい戦いを繰り広げ、辛うじて勝利を収めました。その後、北条時行の挑発を受けてさらに奮起しますが、巧妙な逃げ戦術に疲弊させられ、最後には根津弧次郎と対峙する展開となりました。
その他の側面
恋愛や女性との交際が苦手で、軽い冗談すら扱いきれない面があります。旅の途中で女性たちに囲まれる状況でも不満を漏らしていました。
岩松経家
外見と武装
褐色の肌を持つ筋肉質な青年で、常に大きな刀を収納する特殊な鞘を携えています。その鞘は元寇の技術を応用しており、内部には包丁型の大刀「艶喰」が納められています。この刀は驚異的な威力を持ち、普通の武器では受け止めることができません。戦闘では、刀を抜かず鞘を用いた打撃も行います。
性格と思想
女性への執着が極めて強く、「女性がいれば何倍も強くなれる」という信念を持っています。陣中に女性がいない場合は働かないほどの女好きで、敵地から女性を奪うために本陣を襲撃することさえあります。自信過剰で「全ての女性は自分のもの」と豪語していますが、猫好きで優しい一面も垣間見えます。
装いと魅力
変形した烏帽子「黒猫」を外すと、実はかなり整った顔立ちをしています。その風貌から女性を惹きつける魅力があるようです。
出自と背景
新田一族に属していましたが、信念の違いから離れ、足利家に仕える道を選びました。また、兄として岩松四郎がいます。
行動特性
戦場では非常に好戦的で、自らの信念に基づいた行動を取りますが、本格的な戦闘以外では刀を抜かず、鞘だけで戦う独特の戦法を用います。
上杉憲顕
容姿と特徴
黒い瞳と長く尖った耳を持ち、その外見は人間離れしており、魔族を彷彿とさせます。「恐ろしい」という言葉を好んで使うのが特徴的です。
家系と背景
元々は学問を家業としていた公家の血筋であり、根っからの武士ではありません。そのため、自らの力不足を自覚しており、常に腕の立つ護衛を身辺に控えさせていますが、実際には刺客を相手にして軽々と対処できる実力もあります。
性格と行動
表向きは常識的な人物のように見えますが、実際には非倫理的な実験を繰り返す研究者としての顔を持っています。自身の研究の一環として、ならず者たちを捕らえては屋敷内で人体実験を行っています。
目標と信念
武士を理論的かつ学問的に解明し、最強の武士を作り上げることを自身の使命として掲げています。この探究心はどこまでも冷酷な方法を取ることを厭わないほど徹底しています。
実験対象との関係
没落した名家の出身である長尾景忠を見出し、研究素材として利用しています。彼を通じて、自らの理論を具体化しようとしています。
石塔範家
性格と信条
見た目や戦い方は実直で正統派を好むように見えますが、その実態は特異な趣味を持つ人物です。戦場では堅実な戦いを基本としつつ、自らの理想を追求する一面を併せ持っています。
趣味と鎧
自身の鎧にはオリジナルの美少女キャラクター「白拍子天女鶴子ちゃん」の絵が描かれており、その設定にも非常にこだわっています。敵との戦闘中でも、インスピレーションを得られそうな女性がいれば質問を繰り返す徹底ぶりを見せます。
独自の哲学
「脳内の理想の女性こそが男を強くする」という信念を持ち、現実の女性に興味を示さず、自らの想像上の理想に全てを捧げる生き方を貫いています。その理想に応えるため、日々の鍛錬や戦場での活躍にも妥協しません。
忠義心と評価
直義からは、その趣味を全面的に理解され、象徴的な鶴岡八幡宮での特別な扱いを受けたことで、強い忠誠心を抱くに至りました。この忠義心は、範家の特異な嗜好が足利家への忠義として昇華されていると評価されています。
価値観と理想
現実世界の制約を嫌い、理想を追い続ける時間を至高の幸せと捉える価値観に基づいています。この信念が、彼の独特な生き方と戦い方を形作っています。
斯波孫二郎（家長）
役割と初登場時の特徴
関東庇番衆に所属し、物語開始時には13歳と最年少のメンバーです。軍師として活躍し、仲間の性格を巧みに活用した戦術を編み出すのが特徴です。
戦術と対応
渋川義季には錯覚を起こさせて怒りを引き出し、岩松経家には興味をそそる情報を与えるなど、各々の特徴を最大限に利用して戦況を有利に進めます。一方で、自ら卑怯な策を取ることもあり、その際には渋川からの制裁を覚悟しています。
敬意と忠誠
表面的には渋川をからかうことがありますが、内心では深く敬愛しており、女ヶ原での戦いでは彼を見捨てず救出を試みるなど、忠誠心の強さを示します。
元服後の姿と目的
17歳で「家長」を名乗るようになり、関東庇番の生き残りとして北条時行への復讐心を抱き続けています。常に亡き仲間たちの遺品を身につけ、復讐の象徴として戦場に立ち続けます。
戦いと最後の瞬間
利根川や杉本寺で北条時行率いる軍と対峙し、最終的に時行との一騎打ちに敗北します。死の間際、平和な未来での高校生活を夢見、もし別の時代に生まれていればという思いを抱きながら最期を迎えます。
最期の言葉
命を終える直前に、自身の生きる時代や人生の意味を問いかける一言を残し、自らの選択を肯定します。
今川範満
特徴と外見
馬に対する強い執着心があり、馬の剥製仮面を常に着用しています。寡黙な性格で、周囲を困惑させるほど口数が少ない一方で、独特の雰囲気を持っています。
馬への扱いと戦術
馬を心から愛しているように見えますが、実際には酷使しています。騎乗中に馬の心臓を足で刺激して能力を引き出し、戦場で圧倒的な機動力を発揮しますが、その負荷で馬を短期間で使い潰します。また、戦場では馬が倒れるとすぐに新たな馬に乗り換え、戦いを続けます。
健康状態と補助
体調は芳しくなく、歩行中にふらつくことがあり、騎乗時には家臣の助けを必要とします。鞍に体を固定することで騎乗可能な状態を維持しています。
武器の特異性
大薙刀を使い、その基部に取り付けられた注射器で馬の脳の一部を抜き取ることでリミッターを解除し、さらなる力を引き出す道具として使用します。
馬肉への執着
馬刺しを好み、戦場で馬肉をその場で食すという異常な行動を取ります。時代背景として、家畜の肉を食べることは一般的でなかったため、非常に異端な行為とされています。
心の病と背景
かつて愛馬・瑪瑙を失ったことで精神的に不安定となり、馬への執着が歪んだ形で表れています。直義の言葉に影響され、駄馬を使い潰すことで一瞬だけでも瑪瑙の力を引き出せるという狂気の信念に染まっています。その状況に追い込まれた際には、普段と異なり流ちょうに話す様子を見せます。
三浦時明
外見と服装
逆立てた髪型と顎髭が特徴的で、着物には蛸壺の模様が施されています。
立場と経歴
関東庇番の第二部隊に所属していましたが、内部では軽んじられた役割を担わされていました。
裏切りと転身
井出沢の戦いで北条泰家からの寝返り工作を受け、自身の立場を向上させるため関東庇番を離れ、泰家の配下に加わりました。その後、北条時行と謁見し、重臣の一人として認められます。
戦場での活躍と最後
足利尊氏の鎌倉攻めに備え、弟・三浦八郎と共に箱根で防衛を指揮しましたが、高師泰の攻撃を受けて片腕を失い、致命傷を負いました。八郎を逃がした後、海岸で命を落としたと推測されます。
象徴的描写
彼の能力紹介ページでは、頭上に輪が浮かぶ描写があり、これが彼の死を暗示するものとされています。
佐々木道誉
外見と雰囲気
足利尊氏とともに、異形とも言える不気味な雰囲気で描かれています。腹黒さが際立ち、影の濃さが印象的です。
性格と行動
徹底した計算高さを持ち、あらゆるものを利用し尽くす冷徹な性格です。他人を使い捨てるような非情さが特徴的です。
家族関係
娘・魅摩とは親密な間柄を築いており、彼女からも慕われています。この点では意外にも温かみを感じさせます。
登場場面
京都篇で魅摩に続いて姿を現し、冷酷さと巧妙さを存分に発揮しています。
魅摩
出自と外見
京の権力者・佐々木道誉の娘で、当時流行していた婆裟羅を体現しています。肩や脚が露出する大胆な衣装を纏い、金髪のツインテールという派手な見た目を持つ少女です。
性格と言動
挑発的な性格で、煽りを得意としています。双六の場面では挑発的な発言を繰り返し、相手を心理的に揺さぶることに長けています。同時に、他人を傷つけることで快楽を覚える残虐な一面も持っています。
父との関係
佐々木道誉との親子関係は非常に良好で、身内に対する愛情深さを見せています。
特異な能力
神力を使える能力者であり、双六の結果を操ることや嵐を起こす力を持っています。
時行との関係
初めは容姿や性格に興味を持つ程度でしたが、彼が雫の主君であることや京での出来事を通じて、彼に対する好意らしき感情を抱き始めています。
周囲の反応
彼女の時行への接近に対して、雫や亜也子からは危険視されています。
後醍醐天皇
背景と特徴
鎌倉幕府の末期から南北朝時代初期にかけて君臨し、『逃げ上手の若君』にも登場する天皇です。作中では、御簾越しの会話のみで姿を見せず、眼光が光る不気味な描写が特徴的です。足利尊氏と異なり、完全な異質な存在として描かれています。
政策と行動
鎌倉幕府に対する不満から、倒幕を目的とする綸旨を全国の武将に発布しました。足利高氏には功績を称え「尊」の字を与え、足利尊氏の名乗りの由来となります。建武の新政を始めましたが、身内優遇や増税政策が反発を招き、支持を失います。
失政と反乱
北条時行らの蜂起で鎌倉府が陥落すると、足利尊氏が独断で出陣し、結果として長期的な乱世を引き起こしました。後醍醐天皇は一度尊氏を退けるも、再度の危機に逃亡を拒否し、楠木正成の忠告を無視します。正成の死後、涙を流し後悔する場面も見られます。
吉野への逃亡とその後
京から追われた後、行動力を取り戻し吉野に拠点を構え、南北朝時代の幕を開けました。しかし、その後も北畠顕家に無理難題を押し付けるなど、一貫して暗愚な面が残る人物として描かれています。
護良親王
人物像と役割
後醍醐天皇の皇子で、引き締まった面差しを持つ美青年です。軍事戦略と武芸に優れ、多様な人々をまとめ上げる統率力を誇り、父から後継者候補とされるほどの存在でした。
武功と征夷大将軍への任命
比叡山で天台座主を務める一方で、幕府打倒の綸旨を発し、これを実現します。この功績により征夷大将軍に任じられましたが、足利尊氏を敵視し、暗殺を企てるなど対立を深めます。
足利尊氏との戦闘
手勢を率いて尊氏を襲撃し、自ら奮戦しましたが、尊氏の圧倒的な武力に打ち負かされます。尊氏の堂々とした姿に、自らの無力を痛感させられる屈辱を味わいます。
失脚と幽閉
足利勢力に危険視され、謀反の罪を被せられ鎌倉に幽閉されます。北条勢の鎌倉奪還が近づく中、直義は親王の解放を恐れ、密かに刺客を差し向けます。
壮絶な最期
護良親王は凄まじい抵抗を見せながらも、覚悟を決めて凶刃を受け入れました。父との夢を胸に抱き、祈りを捧げながら息を引き取ります。
足利尊氏との因縁
親王は尊氏の怪物性に圧倒されつつも、彼の内なる破滅を予言しました。その存在は尊氏からも「不要な二つ目の太陽」と見なされるほど重要視されました。
弑逆の重み
皇族暗殺の罪の重さは計り知れず、計画を知る者たちですら強い動揺を示しました。決断に至るまで、関係者たちには大きな葛藤があったとされます。
北畠顕家
基本情報
南北朝時代初期に活躍した人物で、『逃げ上手の若君』では中先代の乱後に登場します。朝廷の公卿・北畠親房の長男で、後醍醐天皇の皇子である義良親王を奉じて奥羽に赴きました。鎌倉幕府の残党討伐を担い、若くして多大な功績を挙げます。
武芸と能力
年若いながらも非凡な武芸の持ち主で、三十三間堂越えの試技を難なく成功させた逸話が語られています。軍才においても群を抜いており、高師直から「貴族らしからぬ実力」と評されるほどです。迅速な判断力と実行力に長けた武将でもあります。
性格と価値観
武士を「野蛮な獣」と見下すような発言が目立つ一方、傷を負った兵士の治療を手伝うなど、実際には深い信頼を寄せています。差別をなくすには言葉ではなく行動と敬意が必要という独自の哲学を持ち、それに基づいた振る舞いを貫いています。
体質と秘めた努力
虚弱な体質を抱えながらも、それを隠して奮闘する姿が描かれています。この事実を知るのは時行のみであり、周囲には強い姿を見せ続けています。
行動力とリーダーシップ
潜伏中の時行を訪ねて自陣営に誘うなど、行動力にも優れています。鎌倉武士の残党を率い、混乱する状況下で冷静に指揮を執るその姿は、他の武士たちからも高く評価されています。
関連エピソード
作者の松井優征氏の夫人が北畠顕家の子孫であるとのことで、「猪突猛進な性格だけは似ている」とのコメントが巻末で紹介されています。
新田義貞
基本情報
上野国（現在の群馬県）出身の武士で、浅黒い肌と特徴的な顎髭を持つ豪快な男性です。
業績と能力
鎌倉幕府を滅ぼす際には、足利尊氏と連携して大きな功績を挙げました。戦場では卓越した戦闘力を発揮し、矢を切り落とすなど目覚ましい働きを見せています。また、指揮能力にも優れています。
性格と特徴
快活で豪放な性格ながら、天然でおおらかな面もあり、劇中では頭の横に「？」マークが常に浮かんでいる様子が描かれています。このマークは周囲の人物にも見えているとされています。
立場と環境
鎌倉攻めの後、後醍醐天皇の親衛隊「武者所」の長として活動していますが、足利家に比べて待遇が劣るため、部下の間には不満があるようです。それでも本人はあまり気にしていない様子です。
内面の変化
周囲からは「何も理解していないのでは」と思われがちですが、最終的には「源氏の血筋ではなく実力こそが天下を取る鍵」とする野心を明らかにし、部下たちを驚かせました。
人間関係
新田一族の一員である岩松経家は、最終的に足利家に鞍替えし、新田家を見限っています。
楠木正成
背景と功績
南北朝時代の実在の武将で、『逃げ上手の若君』では京都篇から登場します。鎌倉幕府滅亡の過程で千早城や赤坂城で籠城戦を展開し、幕府軍を巧みに翻弄しました。その功績により、後醍醐天皇から河内守などの要職を任され、多大な恩賞を受けました。
性格と行動
初登場時は腰の低さが目立つ謙虚な人物として描かれますが、その態度は油断を誘うための策略です。普段の振る舞いは相手の動作や間合いを分析する目的を持っており、全てが戦いに結びついています。実際には高い戦闘能力を持ち、瘴奸の秘技「鬼心仏刀」を一度で打破するほどの技量を備えています。
戦術家としての一面
逃げる戦術を極めており、その巧みさは時行に大きな影響を与えました。後に時行は彼から手渡された書物を基に、自らの軍略を構築することになります。戦場での状況把握や戦術的判断力は北条時行を凌駕する存在です。
最期の戦い
中先代の乱の後、建武の乱で足利尊氏と対峙します。一時は北畠顕家と共に尊氏を九州に追い払うものの、反攻に転じた尊氏に敗北します。最終的に湊川での決戦に臨み、全力を尽くして尊氏と戦うも及ばず命を落としました。
最期の言葉
死の間際、尊氏から「なぜ敗れたのか」と問われ、「逃げるのをやめた」ことが原因だと答えました。そして「七度生まれ変わっても、朝敵である尊氏を討ちに来る」と宣言して息を引き取ります。この言葉は正成の覚悟と信念を示すものです。
五大院宗繁
背景と人物像
五大院宗繁は北条邦時の伯父で護衛役も務めた武士です。妹が執権家に嫁いだ縁で昇進を果たし、甥の威光で栄達した人物です。しかし、鎌倉幕府崩壊後に北条家を裏切り、実の甥である邦時を敵軍に売り渡しました。その行為は御恩と奉公を重んじる時代において非難され、鬼畜と揶揄されています。
性格と行動
自らの保身と利益を最優先する性格で、機会があれば寝返ることも辞さない利己的な人物です。甥の邦時を拘束する際には小児に対する過剰な暴行を行い、その残酷さを見せつけました。しかし、剣術や勘の鋭さには定評があり、戦場での潜在能力を見抜く力量も持ち合わせています。双六に例える発言が多く、後述の異名はその癖に由来します。
作中での行動
鎌倉から逃れる際、邦時を連れて逃亡を図りますが、直後に報酬目当てで彼を敵軍に引き渡しました。その結果、邦時を刑死に追いやったものの、北条家への裏切り行為として新田軍からも評価されず、追放され没落します。
その後も懲りることなく、自身の返り咲きを目論んで時行を捕らえるべく行動を開始しました。諏訪頼重のもとに匿われた時行に接触するも罠に気づき、実力行使で襲いかかりました。時行を剣術で圧倒するも、その天才的な逃走能力に翻弄され、一進一退の戦いが続きました。最終的に時行の機転と仲間の支援により討たれ、首を刎ねられて命を落としました。
役割と印象
序盤の敵役として登場し、その外道ぶりで強烈な印象を残しました。作中では悪行が描かれる一方、武士としての実力が評価される部分もあり、読者に記憶される名脇役となっています。オマケページでは、自身の悪行が後世まで掘り起こされていることを嘆いています。
天狗衆
所属と任務
天狗衆は足利家に長年仕える執事・高師直の指揮下にある忍びの一団です。彼らの主な役割は情報収集ですが、その特性から暗殺の任務も担っている可能性があります。
物語での役割
新田義貞が鎌倉幕府打倒に向けて兵を動かす際、足利高氏の状況を把握するために天狗衆が連絡を提供した描写があります。これにより、義貞が鎌倉に進軍する決断を下しました。
風間玄蕃との関連
天狗衆は逃若党の一員である風間玄蕃とも関係があるような描写が示されています。
外見と正体
天狗衆は屈強な男性が天狗の面をつけた姿に見えますが、実態は動物の皮膚で作られた人形です。その内部には少女が潜み、それを操っているという事実が明かされています。
牡丹
登場と特徴
『逃げ上手の若君』第5話と第6話において描かれた巨大な猪です。人を狩る術を身につけた存在で、名前の優雅さとは対照的に「諏訪の主」ともいえる獰猛な性質を持っています。四本の牙が突出した顔立ちや、武器が通用しない巨大な体躯は、あるアニメ作品の登場キャラクターを思わせる見た目をしています。
猛威と恐怖
その圧倒的な力は時行を恐れさせ、「諏訪は危険だ」と叫ばせるほどでした。彼はその攻撃を間一髪でかわしながら逃げ回りますが、その威圧感は尋常ではありませんでした。
討伐の経緯
時行の郎党である雫、狐次郎、亜也子が考案した作戦により、牡丹は崖下へと転落します。そして、鋭い黒曜石で作られた槍に貫かれて息絶えました。
絶命後の描写
死亡後、毛皮は瞬く間に白く変化しました。雫は彼を「孤独の末に堕落した古代の生物」として同情します。その後、諏訪頼重がその肉をすべて食べてしまい、時行たちの怒りを買いました。
神獣としての転生
死後、諏訪の神域に棲む神獣の一員として崇められる存在となりました。
正宗
人物像
鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した刀匠であり、鋭い審美眼と高い技術を持つ人物です。顔には入墨があり、依頼人の特性を見極めたうえで、その人に最も適した武器を製作します。「最強」ではなく「最適」を重視した制作方針を持ち、過去の失敗から深い教訓を得ています。
信条と背景
正宗の信念は、親友を失った過去の経験に由来します。かつて贈った大太刀が原因でその友人が不意打ちに対応できず命を落としたため、「扱いやすい武器こそが真の価値を持つ」という考えを強く抱くようになりました。依頼を断ることもありつつ、特異なケースでも柔軟に対応し、例えば秕の筋力を活かした独特な刀を製作するなど、革新性も兼ね備えています。
物語内の活動
時行を「時坊」と呼ぶなど、親しげな態度を見せる一方で、この世の情勢には関心を示さず、武器を作ることにのみ興味を持っています。逃若党を迎えた際には、亜也子と狐次郎にふさわしい刀を作る条件として二人の戦闘を提案しました。その際、彼らの戦意の差異を見極め、結果的に亜也子用の武器「四方獣」を完成させました。
代表的な武器
- 四方獣（よものけだもの）
使用者：望月亜也子
見た目は矛に似ていますが、四角柱の穂先が刃を備えた鈍器と刀の融合した形状を持ち、亜也子の怪力に合わせて設計されています。 - 野太刀・千里薙（せんりなぎ）
使用者：渋川義季
極めて長大な野太刀で、広範囲の攻撃や遠距離からの一撃を可能にする武器です。 - 大刀・艶喰（つやずき）
使用者：岩松経家
柳刃包丁を彷彿とさせる巨大な刀で、防具ごと敵を叩き割る用途に適しています。 - 大太刀・疾風蜂（はやてばち）
使用者：斯波家長
刺突に特化した構造で、刀身を軽量化し、素早い突きを可能とした武器です。峰側には六角形の穴が設けられています。
作風の特長
正宗の作品は、使用者の能力や特性を最大限引き出すように設計されており、各武器が個別の戦術や用途に合わせた独自性を持っています。
秕
背景と経緯
秕はかつて名高い女武者として知られていましたが、戦場で敗北し、主君を失った上に両手の指（親指以外）を失う重傷を負いました。その結果、武士としての道を断たれ、生きる意味を見失う状態に陥りました。
逃若党との接触
絶望の中、名工である正宗のもとに身を寄せることで、彼女は逃若党と出会います。黒髪をぼさぼさに乱し、浴衣一枚を羽織るだけの姿で現れ、空虚な視線を見せながらも「再び刀を握ることへの執念」を語りました。
新たな武器と復帰
正宗は秕の脚力や精密な動作に可能性を見出し、彼女専用の武器を製作しました。その武器は太ももを活用する独特な形状の刀であり、鉤爪も装備されました。新しい武器を手に入れた秕は戦場に戻る希望を取り戻し、時行を新たな主君と決めます。
戦闘での活躍
秕は逃若党の先頭に立って戦うようになり、高師冬との戦闘でも力を発揮しました。戦況を無視して暴れまわる癖がある一方で、戦闘力の高さで味方を鼓舞する存在となりました。
夏
基本情報
夏は足利方に仕える忍者で、任務中は天狗の面を被った成人男性の人形に隠れて活動します。この人形を操る技術に特化しており、それを失うと能力が著しく低下します。
初期の任務と失敗
北条時行の命を狙う任務を遂行していましたが、未熟さや油断を突かれて失敗しました。この影響で、時行の叛乱は「中先代の乱」として正式名称が定着しました。
風間玄蕃との関わり
再び時行を狙いますが、護衛である風間玄蕃に阻止され、次に玄蕃を標的にします。しかし、玄蕃に翻弄されるばかりか、爆裂弾の開発を手伝わされ、実験中に素顔を目撃する事態にも遭遇しました。
逃若党への加入
その後、逃若党に加わりながら内偵活動を続け、足利方への帰参を試みます。しかし、高師直の元に戻ると策略によって濡れ衣を着せられ、すべての計画が頓挫しました。
心境の変化と忠誠
玄蕃の誘いを受け、心を入れ替えて時行に仕えることを決意します。過去の虐待的な仕打ちをしてきた師直への反発心から、彼を侮辱することにも積極的な姿勢を見せています。
南北朝鬼ごっこ
基本設定
『逃げ上手の若君』では、北条時行が得意とする「逃げ」を中心に展開され、彼を追い詰めようとする敵との関係が鬼ごっことして描かれています。この作品ならではの特徴的な演出が用いられています。
敵の変化と演出
敵が鬼としての本性を表した瞬間、大きなコマで鬼の姿に変貌する様子が描かれ、「南北朝鬼ごっこ」や「〇〇鬼」といったテロップが派手に登場します。これにより、緊張感が一気に高まる効果が演出されています。
キャラクターによる差異
一部のキャラクターにはこの演出が二度施される場合があり、二度目では鬼名ではなくその人物の名前と役職が表示されます。この際、敵対者としてではなく、対等な武士として認識し討とうとする心境の変化が伺えます。
作者の技量
松井優征先生による巧みな演出とセンスが、この鬼ごっこを一層引き立てており、視覚的な楽しみも提供しています。
南北朝の鬼たち
五大院宗繁
異名は「賽の鬼」です。北条家で栄えた後、鎌倉幕府の滅亡時に北条時行の兄を売る裏切りを行いました。
牡丹
「牛鬼」として知られ、諏訪の山奥に棲む怪物のような猪です。死後は山の精霊の一部となります。
小笠原貞宗
「千里眼鬼」の名を持ち、弓術と優れた視力で知られる武人です。
市河助房
「順風耳鬼」の異名を持ち、卓越した聴力で特に夜間の探索に秀でています。小笠原貞宗の忠実な部下です。
瘴奸
「鍼口鬼」と呼ばれ、かつては盗賊団を率いていましたが、敗北後に小笠原貞宗の配下となりました。
国衙近衛
「熾燃鬼軍団」と称される暴虐な集団を率い、和田米丸とともに清原の悪行を支えています。
清原信濃守
「火車鬼」の異名で知られ、信濃の住民を苦しめる悪徳国司です。敗北後に足利尊氏の支援を得て復活しました。
渋川義季
「阿修羅鬼」の名を持ち、理想の武士像を外れた行為に激怒する過激な人物です。
今川範満
「馬頭鬼」と呼ばれ、愛馬の首を被った馬術の達人です。
今川頼国
「牛頭鬼」の異名を持つ範満の兄で、重装騎兵を活用する戦法を得意としましたが、弟ほどの馬術の腕はなく討ち取られます。
足利直義
「金鬼」として、政治家としての才を持ちながら理屈に偏る性格が敗北を招き、鎌倉から二度逃亡しました。
足利尊氏
異名が文字や模様のようなもので構成され、解読不能であるため「？鬼」と呼ばれます。他の鬼を凌駕する存在です。
斯波家長
「復讐鬼」として知られ、敗死した仲間の仇を討つため、殿を引き受け戦死しました。
土岐頼遠
「羅刹鬼」の名で呼ばれ、部下を敵陣に投げつける異常な力を持つ豪傑です。
覚海尼
「鬼母」として登場し、北条時行の祖母で唯一彼を狙わない鬼であり、捕縛に成功した唯一の存在です。
アニメ化について
制作情報
- 制作会社: CloverWorks（代表作：『ぼっち・ざ・ろっく！』『SPY×FAMILY』）
- 監督: 山﨑雄太（『ワンダーエッグ・プライオリティ』副監督経験あり）
- シリーズ構成: 冨田頼子（『その着せ替え人形は恋をする』脚本担当）
主要キャスト
- 北条時行：結川あさき（新人声優）
- 諏訪頼重：中村悠一
- 雫：矢野妃菜喜
- 弧次郎：日野まり
- 亜也子：鈴代紗弓
- 風間玄蕃：悠木碧
- 吹雪：戸谷菊之助
放送情報
- 放送開始日: 2024年7月予定
- 放送局・配信情報: 未定
ストーリー概要
- 時代背景は1333年、鎌倉幕府滅亡後。
- 主人公北条時行が諏訪頼重の助けを得て逃亡しながら仲間を集め、鎌倉奪還を目指す物語。
制作背景
- 原作は松井優征の『週刊少年ジャンプ』連載作品（代表作：『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』）。
- 連載2周年を迎え、TVアニメ化が発表。
関連情報
- ティザービジュアルやPVが公開済み。
- 2024年10月には第2期制作が発表されており、シリーズの発展が期待されている。
打ち切りに関連する情報
打ち切りの噂について
- 掲載順位の低迷
一部の回でジャンプ掲載順位が低いことから、打ち切りが噂されています。しかし、具体的な打ち切り決定の情報は確認されていません。 - 評価と期待値
松井優征氏の前作「暗殺教室」の成功による高い期待がある一方で、歴史物とギャグを組み合わせた内容が一部読者には不評で、評価が割れる傾向があります。
アニメ版に関する要素
- アニメの終了形式
アニメ版は打ち切りではなく、1クール（全12話）の構成で制作されており、続編が視野に入った終わり方になっています。 - 視聴者の反応
アニメの終了が「中途半端」と感じられる部分もありますが、原作人気とアニメの評価を踏まえると、続編の可能性はあると考えられています。
休載と連載の安定性
- 休載回数と安定性
「休載が多い」という噂がありますが、実際には連載開始から4年間で4回の休載のみと安定したペースで連載されています。
現時点で「逃げ上手の若君」が打ち切られる公式な情報は確認できませんが、評価や掲載順位を巡る読者間の議論が存在しています。
主要キャラクターの史実
北条時行
家系背景
鎌倉幕府第14代執権・北条高時の次男であり、北条得宗家の当主として生を受けました。幼少期には幕府崩壊や地方への逃避を経験し、波乱に満ちた時代を生き抜きました。後に建武政権に反旗を翻し、特に足利尊氏との対立がその生涯を象徴しています。
足利尊氏との関係
尊氏に対する反抗は、その執拗さのみならず、実力で鎌倉を支配下に置いたことで武家の支配者としての正当性を世に認めさせた点でも際立っています。この影響により、尊氏が鎌倉出兵時に征夷大将軍の地位を希望したのは、時行の掲げた鎌倉幕府再興への対抗策とも考えられています。
後世への影響
時行の落胤や末裔を名乗った家系が複数存在しており、その信憑性については議論の余地があるものの、北条時行が歴史的に注目され続けたことを示しています。
幕府滅亡後の運命
鎌倉が陥落した際、母の計らいで諏訪氏に庇護されながら信濃へ逃れました。その後、中先代の乱を引き起こし、鎌倉を一時的に奪還するなど、旧幕府勢力の象徴として奮闘しましたが、足利氏の反撃を受け敗北。その後も挙兵を続けましたが再び鎌倉を支配することは叶いませんでした。
南朝への転向
時行はのちに後醍醐天皇の恩赦を受け、南朝方として足利軍と戦いました。信濃や関東を拠点に奮戦し、一時的に鎌倉を奪回することにも成功しましたが、その後の戦局で敗北を重ね、最終的に足利方に捕らえられ処刑されました。北条得宗家はここで終焉を迎えました。
足利尊氏に関する情報を異なる表現で要約します。構造的な整理に基づいて以下の通りまとめます。
足利尊氏
生い立ちと家系背景
足利尊氏は下野国足利荘または丹波国綾部を生誕地とし、父・貞氏の次男でしたが、兄が早世したため家督を継ぐことになりました。北条得宗家から「高」の諱を授かり、赤橋守時の妹・登子と婚姻しました。足利家の名は、皇室関係の荘園であった足利荘に由来します。この関係から後醍醐天皇とは当初から主従の間柄でした。
「置文伝説」と家系の宿命
足利家の祖先である源義家が、「七代後に天下を取る」という予言を残したと言われています。義家の七代後にあたる家時が伊予守に任命されましたが、霜月騒動で命を落としました。彼は死の直前に「三代のうちに天下を取らせよ」という願いを託したと言われ、その孫が足利尊氏です。ただし、この伝説が実際の記録通りかどうかは議論があります。
討幕活動への転換
鎌倉幕府に仕えていた尊氏は、後醍醐天皇が反乱を起こした際、幕府側として鎮圧に加わります。しかし、天皇が隠岐から脱出し、再び挙兵すると、幕府との対立が深まった尊氏は天皇側に寝返り、丹波で挙兵しました。その後、京都に進軍して幕府の六波羅探題を滅ぼし、天皇を京に迎えました。
幕府滅亡後の建武政権との関係
鎌倉幕府の滅亡後、尊氏は後醍醐天皇から高い官位を授けられましたが、彼自身は政務に積極的ではなく家臣を派遣するに留めました。天皇側の護良親王が尊氏を敵視する中、尊氏と天皇の関係は一時的に良好でしたが、その後悪化していきます。
南北朝時代と室町幕府の成立
鎌倉奪還後、尊氏は光明天皇を擁立して北朝を成立させました。一方、後醍醐天皇は吉野に逃れ南朝を形成しました。尊氏は南朝勢力を相手にしながらも、北朝を支える新しい幕府の基盤を築き、征夷大将軍に任命されました。
晩年の内紛と影響
尊氏の晩年には、弟の直義や家臣との対立が激化し、観応の擾乱が発生しました。この結果、直義との和解やその急死があり、尊氏は政務の多くを子の義詮に委ねました。しかし、南朝の脅威や直義の残党の抵抗が続き、晩年の尊氏は混乱の中で過ごしました。
後醍醐天皇
概要
日本の第96代天皇で、文保2年（1318年）に即位し、延元4年（1339年）まで在位しました。中国風の皇帝独裁を目指し、鎌倉幕府の滅亡や南北朝の対立といった歴史的な転換点を生み出した天皇です。
持明院統と大覚寺統の対立
後嵯峨上皇の死後、後深草天皇と亀山天皇の両派が皇位を巡って対立しました。持明院統（後深草天皇系）と大覚寺統（亀山天皇系）の争いは、室町幕府3代将軍・足利義満による統一まで続きました。
鎌倉幕府との関係
鎌倉末期、後醍醐天皇は正当な継承者ではなく「中継ぎ」として即位しましたが、密教や儒学を学びつつ、独自の統治構想を展開しました。鎌倉幕府や他派を排除しようとしたものの、倒幕計画は2度失敗し、隠岐へ流されました。
建武の新政の挫折
鎌倉幕府の崩壊後、後醍醐天皇は建武政権を樹立し、政治を直接支配しました。しかし、既得権を無視した人事や経済政策の混乱が不満を招き、貴族や武士の支持を失いました。その結果、足利尊氏らが反乱を起こし、政権は瓦解しました。
南朝の設立
失意の後、吉野へ逃れた後醍醐天皇は南朝を樹立しました。各地の皇子を派遣して挽回を図るも、主な武将の戦死や勢力の衰退により、次代の後村上天皇に譲位。翌日、崩御しました。その後、南朝は北朝と統合され、歴史の幕を閉じました。
作者・松井優征先生
出身と受賞歴
埼玉県入間市出身。2001年に漫画賞を受賞し、2004年にデビュー。代表作『魔人探偵脳噛ネウロ』はアニメ化され、長期連載を果たす。
連載作品と成果
『暗殺教室』や『逃げ上手の若君』など、連載作品の多くがアニメ化や実写化を経験。『週刊少年ジャンプ』では初めて3作品連続100話以上の連載を達成した。
作風の特徴
独特の画風とキャラクター造形が特徴で、伏線の回収やストーリー構成の巧みさで知られる。ギャグやパロディを多用し、作品に笑いを取り入れることにも長けている。
個人的なエピソード
料理や食材への探求心が強く、珍しい食材を試すなどユニークな趣味を持つ。また、子供時代の冒険や他作家とのエピソードも興味深い。
人間関係と影響
同郷の作家や師弟関係を通じて交流を深め、ジャンプ作家仲間との共同企画に参加。ギャグセンスは師匠の影響を受けたと言われている。
「逃げ上手の若君」はどこで読める？まとめ
今回の記事は、松井優征著・漫画「逃げ上手の若君」の電子書籍情報、あらすじ、登場人物、アニメ化などについて紹介しました。
この記事のポイントをまとめました。最後におさらいしましょう。
- 安全な電子書籍サービスで読む方法を知る
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「逃げ上手の若君」を安心して楽しむ準備を整えましょう。ぜひ本記事を参考にしてください。
この記事を読んだ後、「逃げ上手の若君」をまだ読んでいない方は、ぜひ手に取ってみてください。その魅力を実際に体感し、今後の展開を一緒に楽しみましょう！
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
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